【入門・日米戦争どっちが悪い(1)】 NO.2 片手に十字架、片手に鉄砲 侵略と虐殺繰り返した西欧白人国家
2016.12.4
【入門・日米戦争どっちが悪い(1)】 NO.2
片手に十字架、片手に鉄砲 侵略と虐殺繰り返した西欧白人国家
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オランダが東インド諸島において行ったのは「強制栽培法」と呼ばれた悪法で、1830年、ベルギーの分離独立に伴う紛争で、財政上、大きな負担を背負い込んだオランダは、植民地経営による国際収支の改善を意図した。
新総督をインドネシアに送り込み、全ジャワの住民の耕地に対し、稲作等の農作物の栽培を全面的に禁止した。
農作物に代え強制的にサトウキビ、コーヒー、藍(インディゴ)など、欧州へ輸出すれば巨大な利益をもたらす熱帯の「商品作物」の栽培を命じた。
これがすなわち「強制栽培法」と呼ばれた悪法である。
これは予定どおり巨大な利益を生み、本国は莫大な負債を解消するとともに余剰金で、鉄道業を賄い、産業革命を達成する。
つまりオランダはインドネシアの犠牲において近代化に成功したわけである。
しかし強制栽培法を命ぜられたジャワ一帯はどうなったか。
水田耕作を禁じられたジャワ農民は、1843年から48年にかけて大飢饉に苦しみ続ける。
あまりの悲惨な状況に一時中止されるが、その後も再び輸出用作物の栽培は強行され、ジャワ農村の疲弊はつい近年まで続いたのだ。
(平成12年2月11日付産経新聞「正論」欄)
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欧州人はカリブ海の島々などでインディオを殺し過ぎて鉱山や農場の労働力が足りなくなり、アフリカから黒人奴隷を連れてくる奴隷貿易を行いました。
売買された奴隷は約1500万人にも上りますが、その数倍の人々がすし詰め状態の奴隷船で死亡し、海に捨てられたと推計されています。
100トンの船に414人を詰め込んだという記録も残されています。
カリブ海のジャマイカはウサイン・ボルト選手で知られる陸上競技王国ですが、皆、黒人選手です。
日本の子供たちはジャマイカに昔から住んでいたと思っていますが、先住民はインディオです。
インディオは今、ジャマイカにいません。
スペイン人が皆殺しにしたからです。
奴隷の存在を前提として書かれた聖書
「愛」を説く宗教であるキリスト教を信じる白人たちが、先住民を殺したり、黒人を奴隷にすることに心の痛みを感じなかったのはなぜでしょうか。
旧約聖書に有名な「ノアの箱舟」という物語があります。
そのノアにはセム、ヤペテ、ハムの3人の息子がいました。
ある日、ノアは酔っぱらって素っ裸で寝込んでいるのをハムに見られました。
するとノアはハムの子供カナンについて「カナンは呪われよ/奴隷の奴隷となり、兄たちに仕えよ」と告げました(創世記9章25節)。
セムはユダヤ人とアラブ人の祖、ヤペテは白人の祖、ハムは黒人の祖と解釈され、黒人を奴隷とすることを正当化する根拠となったのです。
どうして裸を見たら子供が呪われなければならないのか、さっぱり分かりませんし、この記述で黒人奴隷を正当化するのは理解できませんが、とにかく「黒人を奴隷にすることを神は許している」と解釈したのです。
旧約聖書も新約聖書も、奴隷を容認しているかどうかはともかく、その存在を前提として書かれています。
有名なフランスの啓蒙思想家、シャルル・モンテスキューでさえ、『法の精神』で黒人奴隷のことをこう記しています。
「現に問題となっている連中は、足の先から頭の先まで真黒である。
そして、彼らは、同情してやるのもほとんど不可能なほどぺしゃんこの鼻の持主である。
極めて英明なる存在である神が、こんなにも真黒な肉体のうちに、魂を、それも善良なる魂を宿らせた、という考えに同調することはできない」
「黒人が常識をもっていないことの証明は、文明化された諸国民のもとであんなに大きな重要性をもっている金よりも、ガラス製の首飾りを珍重するところに示されている。
われわれがこうした連中を人間であると想定するようなことは不可能である。
なぜなら、われわれが彼らを人間だと想定するようなことをすれば、人はだんだんわれわれ自身もキリスト教徒でないと思うようになってくるであろうから」
=つづく
(地方部編集委員 渡辺浩)
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