「ABCD包囲陣に対する戦中の日本の静かな決意」
「ABCD包囲陣に対する戦中の日本の静かな決意」
大東亜戦争調査会編「米英挑戦の真相」毎日新聞社出版
「GHQ焚書図書開封」 西尾幹ニ著。徳間書店発行より。
2008年6月30日 第一刷。
昭和18年6月1日に毎日新聞社から出版された大東亜戦争調査会編「米英挑戦の真相」は一番早い時期に焚書された書物の一つです。
一連のシリーズを成していた本で、当時の錚々たるメンバーが執筆者になっております。
したがって、当シリーズは米軍の注目を早くから集めて、大半の本が焚書されています。
私がびっくりするのは、それを日本は全部知りぬいていたということです。
兵力まで細かく把握していた。
一番最後に「対日包囲陣の悪辣性」について述べている箇所があります。
「原書から引用」:・・・・・・・・
米国が日露戦争直後より今次開戦直前に至るまで、或いは排斥、或いは圧迫、果ては弾圧など、
我が国に加えた侮辱と非礼とは、世界4千年の国交史に稀なる物であり、又英国が明治維新前後より日清戦争まで、そしてワシントン会議より今次開戦直前まで、我が国にとった態度も、これまた米国と何れか烏の雌雄を
知らんやの顔で、ただ米国の如き暗愚下劣なる露出症的態度でなかったというに止まる。
過去幾多の米英の対日外交振りを見れば、その内容の暴慢なるは勿論、其の態度や傲岸、その言辞や横柄、
なすところは悪辣非道筆舌を以って形容し難きものがあり、顧みて、よくも我々の先輩はこれを堪忍して来たものだと、その自重の裏に潜む萬斛の血涙をそぞろに偲ばざるを得ない程である。・・・・・・
日本の戦争が一等国民のプライドのための戦いであった、目に見えない敵、西欧合理主義との戦い、
明治以来の自分自身との戦いであった、と先にもべた事にも関係があります。
もしも、戦わずして自尊心を捨ててしまったら、戦後復興日本は存在したかと思われるほどの排日侮辱だったのです。
「原書から引用」・・・・・・・
かかる米英の対日非礼史、侮日史は他の分冊に譲って,茲には単に軍事上から、この対日包囲陣のもつ戦略的敵性を指摘するにとめよう。
これほどの悪辣なる戦略は、歴史上未だかってなかったと断言して憚らないのである。
彼らが我が国を軍事的に包囲するに先立って、我が国をまず外交的に孤立無援にしてしまおうと企図したこと、この外交包囲にも満足せず、更に我が国の窮乏、衰微を策して我が国に対する卑劣な経済的圧迫を続け、
我が国をして経済的孤立に導かんとしたことは、前に記した通りである。
彼らは、日本民族の移民を完全に排斥し、我が国製品の輸入や、彼らの日本への輸出品をば、彼らの本国と属領とから、意の如く制限したのみならず、他民族の国からまでも日本排斥を策し、謀略を以ってこれを実行せしめた。
即ち我が国を完全に「はねのけもの」にして貧乏人にしてしまおうと言う策で、この排日、侮日は、ついに悪辣なる経済包囲、経済封鎖という目的のために手段を選ばざる結果を招来した。
彼等の企図したところは、我が国を丸裸にし丸腰にした上で軍事包囲をして、我が国を袋叩きにしようとしたのである。
なかんづく我が国への油道の切断こそ、その悪辣性の最たるものであった。
油道を切断して我が国の艦船、飛行機、機械化部隊が動かなくなれば、我が国を刃に血塗らずして武装解除誌、少なくも我が国の軍備をして、日本国産の油で維持し得る程度にまで制限したのと同様である。
こうしておいて我が国を袋叩きにして打ちのめそうとしたのである。
譬えて以って言うならば、ギャングの親玉がその配下を語らって、善良なる一人の少年を取り巻いて袋叩きの気勢を示しつつ、侮辱,罵言し、難題を吹きかけ聴かねば打ちのめすぞという構えの姿勢、それがこの対日包囲陣であったのだ。( 中略 )
起たざれば我が国は自滅するか、袋叩きにされて落命するかであったのだ。
決然、我が国がその自立自衛のために起ったのはいはば当然の帰結であった。
- ・・・・・・・・・・( 引用終わり )
ここで大事なことは、日本政府が対日包囲陣のもっている手強さと強固さ、そしてそれがもつ恐ろしさを知っていたということです。
「私の感想」・・・・・・・・・・・・・・・・・
一番先にアメリカ軍が焚書にした理由は、内容が真実をついているからである。
自虐史観の人たちは、日本陸軍が中国大陸で暴走したから無謀な戦争を起こしたという。
陸軍参謀本部が戦争好きだったから支那で満州事変を起こし、支那大陸で戦争を拡大したから米国が正義のために日本を経済制裁してハルノートで満州と支那から撤退するように要求したから戦争になったという考えである。
アメリカが、正義の味方、冗談でしょう。
彼等は、支那の市場を日本から取り戻し、支那を侵略し権益を持ちたかったのである。
彼等は、人種差別をしていて黄色人種が一等国であること、世界の五大強国の一員であることが許せなかったのである。
支那の門戸開放とか機会均等とか美辞麗句を並べて誤魔化したにすぎない。
アメリカが何故、日本を脅威に思ってオレンジ作戦を行っていたのか、それは、英国の様にアジアに植民地を欲しかったからである。
脅威と言ってもアメリカは、石油でも鉄でも何でもある広大な大国であり、譬え日本が米国を占領しようとしても出来るわけがない。
彼等は、アジアに進出し、覇権を手中にしたかったのである。
事実、米国はフイリピンを植民地にしており、グアム島を委任統治していたのである。
- それから、当時のアメリカ人は、戦争に反対だった。
- ルーズベルト大統領は、欧州戦争に参加しないと国民に約束して当選したので英国から戦争参加の依頼が来ても参加出来なかったのである。
- そこで、日本を経済制裁して支那大陸から撤退するよう要求すれば日本は戦争を始めるしかないと考えていた。
- だから、真珠湾攻撃の後、欧州戦争への参加と対日戦争を望み通り開始出来たのである。
自虐史観の方や無謀な戦争だったのではと疑問に思っている方々に是非、読んでもらいたい。
当時の日本人の考えや当時の世界情勢など知って戴きたいと思っている。
現在の考えで過去の歴史を決め付けることは出来ない。
過去の其の当時の様子を知ることが大事ではないかと思う。
まして、今まで焚書のために最出版されず、古本屋にないとすれば焚書開封により多くの日本人が読むことが出来れば此れほど有り難い事はない。
本当の日本人なら、我々の先祖が愚かな決断をする筈がないと思う筈だ。
愚かなのは戦後の政治家と国民でマッカーサー憲法を後生大事に持ち続け未だに軍隊を持たず、核ミサイルも持たず、栄光ある海軍も再建せず、今度は西の国々に脅かされている。
皇室典範を改正しようとせず、今生陛下にご苦労ばかりかけている始末だ。
侮辱されても怒ることがない。英霊達は、さぞ落胆しているだろう。
我々は、何のために命を捧げたのかと。
何故こんな情けない国にしたのかと。
「GHQ焚書図書開封」 西尾幹ニ著。徳間書店発行より。
2008年6月30日 第一刷。
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