大東亜戦争考察 ― 堀 栄三著:大本営参謀の情報戦記ー情報なき国家の悲劇

大東亜戦争考察―堀 栄三著:大本営参謀の情報戦記ー情報なき国家の悲劇(文春文庫)

 

大本営参謀であった著者の堀栄三氏は、大本営陸軍参謀として第二部(情報部)のドイツ課、ソ連課そして米英課に勤務し、情報業務に携わった。

読んでみて大事だとおもったことを書いてみる。

1。第二次世界大戦で日本が開戦するやいなや、米国がいの一番にやった事は、日系人の強制収容だった。

戦後になっても日本人は、これが何のためだったか知っていないし、知ろうとしない。
 
 裏から見れば、あれで日本武官が営々と作り上げてきた米国内の諜者網を破壊するための防諜対策だったと、どうして考えないのであろうか。
 
 米国人は、国境を隔てて何百年の間、権謀術数に明け暮れた欧州人の子孫である。

日本人のように鎖国三百年の夢を貪ってきた民族とは、情報の収集や防諜に関しては、全然血統が違っている。

四十年後に何百万ドル払って不平を静めようが、戦争に負けるよりはぐっと安いのである。

2.必要な情報は、どのような手段によって収集されるか。
 
 先ず、第一線部隊が直接敵と戦闘して得るもの、航空偵察、写真撮影、通信の傍受などで戦闘部隊で実施出来る。

このほかに、諜報、謀略、宣伝などの秘密戦があって、大本営では第二部の第八課がその大部を担任している。

3.諜報の内、暗号解読は最も重視されるところで、日本の暗号は戦時中、米国にとられていたという のが最近の常識のようである。
 
 日本は、取られっぱなしであったかと言うと、日本も相当なことをしていたことも明らかで、

開戦前後には米国のかなり重要な暗号を読んでいたことは事実であった。

 こういう仕事をしていた人々は、**と**の暗号はとっていたと、戦後になっても絶対に喋るような人々ではない。

4.戦争中、一番穴の開いた情報網は、ほかならぬ米国本土であった。

如何に、秘密が保たれていたとしても、原爆を研究しているとか、実験したとか、きっと嗅ぎ出していたであろうに。

 日系人の強制収容は日本にとって実に手痛い打撃であった。

5.航空戦が怪しい。

 昭和18年11月のブーゲンビル島沖海軍航空戦と11月の4次にわたるギルバート沖海軍航空戦の戦果であったがおかしいと思い、大本営海軍部の発表を総計すると、計算上では、米海軍には、航空母艦は一隻もなく、米艦隊の活動能力はゼロで全部海底に沈んだことになっていた。

 堀たちのグループは疑問を抱いた。そして原因を調査した。

航空戦では、司令官も参謀も何百キロも離れた司令部にいるから、自分の目の代わりに帰還操縦士の声を信用する以外にないようだった。

 誇大報告は、いずれにしても大変な影響を与えた。

航空戦とは実に罪なものである。

 堀参謀の苦労したことは、暗号が解読出来ないので、敵艦船や敵航空機の発信する無電を傍受して判断することだった。

敵の作戦が始まる時、無線交信が多くなるので、次ぎは敵は、どこに来るかを当てるようになった。

それは、普段から無線を傍受して経験を積み勘を養うことであった。

 小生は、本書を読んで、日系人の強制収容の目的が始めてわかった。

また、日本軍は、情報を軽視していたため、苦戦した。

情報を得ておけば将兵の無駄な戦死はかなり、防げたことであった。

「著者紹介」

 堀 栄三 : 大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇(文春文庫)

1913(大正2)年生まれ。東京陸軍幼年学校、陸軍士官学校46期。陸軍大学校56期。

昭和18年、大本営陸軍部参謀隣、第二部に勤務して情報業務に携わる。

その間、在フイリピン第十四方面軍(山下奉文司令官)の情報主任参謀も勤める。

 

 

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