【戦後70年】B29撃墜へ電波兵器開発「旧海軍実験所」跡取り壊しに悲痛な声…「電子レンジ技術の起点。日本の産業遺跡の面も」

【戦後70年】
B29撃墜へ電波兵器開発「旧海軍実験所」跡取り壊しに悲痛な声…「電子レンジ技術の起点。日本の産業遺跡の面も」

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大井川の河道拡幅工事のため、取り壊し工事が始まった「第二海軍技術廠牛尾実験所跡」=15日、静岡県島田市牛尾

 

 強力な電波兵器でB29を撃墜しようと、大戦末期に旧日本海軍が研究を進めた静岡県島田市牛尾の「第二海軍技術廠牛尾実験所」。

平成25年から市教委による発掘調査が行われ、直径10メートルのパラボラ反射鏡を据え付ける架台などが発見されたが、大井川の治水工事のため取り壊しが始まった。

貴重な戦争遺跡が失われることを危惧し、保存を求めてきた地元有志からは「一部でも遺跡を保存すべきだ」という声が上がっている。

「ガガガガッ」。

15日午後1時ごろ、重機の先端に付けられた破砕機がコンクリート製の基礎に突き刺さると、実験所電源室の跡地は次々と崩れていった。

「70年も残っていた遺跡なのに、あまりにもあっけない最期だ」。

「牛尾実験所跡遺跡を守る会」共同代表の臼井利之さん(68)はそう言って唇をかむ。

崩れた基礎の中から姿を現したのは、か細い2本の鉄筋。

臼井さんは「通常ではあり得ないもろい構造だが、戦時中で物資が不足していたのだろう」と往時に思いをはせる。

実験所の跡地が残る牛尾山周辺は、隣接する大井川の川幅が約300メートルと狭く、数十年前から洪水の危険性が指摘されてきた。

河道拡幅工事を行う国土交通省静岡河川事務所によると、遺跡を含む牛尾山を掘削し、150メートルほど川幅を広げる計画だという。

しかし、5年ほど前に地元の郷土史研究会が地中に埋もれた遺跡の存在を確認し、平成25年に市教委が発掘調査を実施。

直径10メートルのパラボラ反射鏡を据え付け可能な高さ約4メートルの架台2基や、約500平方メートルの電源室の基礎などが発見された。

臼井さんらは遺跡の保存を求める署名活動を行い、昨年11月に市長に3163人分の署名を提出。

同12月には、市議会でも治水工事と遺跡の保存を両立する工法の採用を訴えたが、採択されなかった。

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 レーダーなど、旧日本海軍が開発した電波兵器に詳しい東京工業専門学校の河村豊教授によると、牛尾実験所では地上の高射砲から発射した砲弾にマイクロ波を照射し、B29のそばで起爆させる研究を進めていたという。

河村教授は「反射鏡の架台部分も見つかっており、実用化に向けて相当程度の研究が進んでいたのでは」と分析。

「電波兵器の研究は、戦後電子レンジの技術にも応用された。

実験所は戦争遺跡であるだけではなく、日本の産業遺跡という側面もある」と遺跡の重要性を指摘する。

臼井さんは「2メートルでも3メートルでもいいから、遺跡の一部を残してほしい。

当時につながる『場』を維持していくことが必要だ」と話した。

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