ミッドウェー海戦(5完) 大ざっぱな作戦、同じ過ちの繰り返し 「負けるべくして負けた」連合艦隊 3/5
ミッドウェー海戦(5完) 大ざっぱな作戦、同じ過ちの繰り返し 「負けるべくして負けた」連合艦隊 3/5
それにしても多くのパイロットを失った。
隊長の友永大尉は、ミッドウェー島空襲のときの被弾で片翼タンクにしか燃料を詰めることができない覚悟の出撃だった。
魚雷の投下後に対空砲で炎上し、「ヨークタウン」の艦橋に突っ込んだといわれている。
一方、アメリカ側もこの間に「ヨークタウン」から出た索敵機が「飛龍」を発見する。
「エンタープライズ」「ホーネット」の第16任務部隊から130キロという至近距離だった。
このため、第16任務部隊司令官のレイモンド・A・スプルーアンス少将は午後4時前後に計40機を相次いで発進させている。
これが2隻に残っていたすべての艦載機だった。
山口少将も第2次攻撃隊収容後の午後6時を待って“残る1隻”への攻撃を命じる。
このとき「飛龍」に残された戦力は、零戦が6機、艦爆が4機、艦攻が4機の計14機だけだった。
だが、このとき搭乗員や乗組員は度重なる戦いで極度の疲労に襲われていたものの、「1対1の戦い。必ず沈めてやる」とやる気いっぱいだった。
「命運は尽き…」
だが午後5時過ぎ、「飛龍」の上空にいた零戦を振り切った米軍機が急降下してきた。
「直上に敵機!!」の声にすかさず、「撃ち方始め」のラッパを鳴らし、対空砲で応戦したものの間に合わなかった。
数分後、甲板に爆弾が4発命中し、エレベーターが破壊され火災が発生した。
黒煙をあげる「飛龍」。
艦長の加来止男大佐は消火を命じるが消火装置が破壊されて、対応できない。
【歴史事件簿】ミッドウェー海戦(5完) 大ざっぱな作戦、同じ過ちの繰り返し 「負けるべくして負けた」連合艦隊
沈没寸前の重巡「三隈」
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