ミッドウェー海戦(1) 解読された暗号、軍部の奢りで情報がアメリカに筒抜け 2/4
ところが4月18日を機に状況は一変する。
アメリカ空母「ホーネット」から発艦した爆撃機が帝都・東京をはじめ、名古屋や神戸など6都市を空襲。
被害は軽微だったものの国民に与えた動揺は大きかった。
プライドを大きく傷つけられた山本大将もこれを契機に早急なミッドウェー作戦の実行を主張。
こうなると海軍どころか、作戦に否定的だった陸軍も山本大将の作戦に全面的に協力せざるを得なかった。
作戦はミッドウェー島と同時に、敵爆撃機が飛んでくる範囲にあった北方、アリューシャン列島も攻略する方向で固まった。
「目標は基地か空母か」
当時、アメリカが太平洋に保有した空母は「レキシントン」「ヨークタウン」の第17任務部隊と、「エンタープライズ」「ホーネット」の第16任務部隊の4隻で所在不明の「ワスプ」の影もちらついた。
連合艦隊が大和艦内で連日にわたり実施した図上演習の成果もはかばかしいものではなく、敵空母の撃滅を目的に立てられた作戦もいつの間にか島の攻略にも重点が置かれていた。
しかもアリューシャン列島まで広範囲にわたり、航空主兵派から戦力分散の指摘を受ける。
時期尚早の声も上がったが、山本大将は「異議のある者は即刻、退艦しろ」と語気を強め、反対派を静めたというエピソードも残る。
そんなときミッドウェーでも想定される空母vs空母の戦いとなった珊瑚海での戦況が入る。
アメリカの空母「レキシントン」を沈めるも、日本も軽空母の「祥鳳(しょうほう)」を失ってしまった。
「翔鶴(しょうかく)」も沈没寸前に追い込まれ、「瑞鶴(ずいかく)」は無傷だったが多くの飛行機搭乗員を失う。このため首脳部は2隻の作戦参加は無理と判断した。
当時のミッドウエー島
東京に向けて爆撃機を発進させるホーネット
空母『加賀」
空母『赤城」
山本五十六
チェスター・ニミッツ提督
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