珊瑚海海戦(上) 緊迫!南太平洋での“見えない闘い”…米攻撃で日本は初めて空母失う 4/4
珊瑚海海戦(上) 緊迫!南太平洋での“見えない闘い”…米攻撃で日本は初めて空母失う 4/4
この結果、7本の魚雷と13発の爆弾を受けた祥鳳は攻撃からわずか30分で海中に没していった。日本海軍にとっては初めて空母を失った瞬間だった。
フレッチャー少将はこの攻撃で味方の機動部隊の所在を日本側に判断されたくないため、攻撃を祥鳳だけにとどめ、2次攻撃隊は見送った。
裏を返せば日本側にとっては他に影響がなく、計画通りに攻略部隊をポートモレスビーへと向かわせたのだが、祥鳳沈没の知らせを受けた第4艦隊と連合艦隊には大きな衝撃が走った。
ちくはぐな攻撃の末に空母を失った井上中将は平静を装っていたが、動揺は隠せなかったという。こうなると収まらないのが、翔鶴と瑞鶴を中心とする5航戦の面々だった。 (園田和洋) =続く
日本海軍の空母「瑞鶴」
日本海軍の空母「翔鶴」
米空母「ヨークタウン」
井上成実中将
コメント:
連合艦隊の作戦はひどいものだった。山本五十六長官は、一般国民には名将として宣伝されているが、内実は凡将であった。むしろ海軍大臣の方が適役だった。日本海軍の人事がうまく機能していなかった。何故か?彼は海軍の将校の金太郎飴のような同じ思考を持つ人物が嫌いだったらしい。
そのため、変人を好み、特に問題だったのは、黒島亀人という先任参謀を買っていて全ての作戦を彼に命じた。
黒島亀人は、仙人参謀と揶揄されて、いつも個室に閉じこもりタバコの煙で蔓延している部屋で敵のいない場面での作戦を練った。それを山本長官は承認した。戦艦大和には、7名ほどの参謀がいたが、作戦会議を一度も開かなかった。山本長官は将棋が好きでいつも渡辺参謀と将棋をしていた。山本長官は、後から着任した宇垣纒参謀長を遠ざけ黒島参謀を重用した。
黒島参謀は、戦力をいつも小出しにして大部隊で作戦を考えることがなかった。この珊瑚海海戦も普通は、南雲機動部隊に実行を命令すべきなのに疲れて休養を必要とする5航戦に命じた。5航戦を南雲部隊より能力を下に見ていて経験を積ませる意図があって命じたことは否定出来ないだろう。
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